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2008年11月25日

緒形拳さんの追悼に その2

新宿ピカデリーでやっている追悼上映、第2弾の「鬼畜」に引き続き、第3弾の「復讐するは我にあり」を見てきました。
(第1弾の必殺仕掛人は見逃し…)
ブリーリボン賞、日本アカデミー賞受賞作。
5人を殺害した西口彰事件を題材にした、佐木隆三氏のノンフィクションが原作。
専売職員を2人殺害後、12万人に及ぶ警察の捜査網をかいくぐって詐欺を繰り返しながらさらに女性や老人を含む3人を殺害、78日間もの間逃亡生活を続けたという極悪非道な男、榎津厳を緒形拳氏が演じています。
タイトルの「復讐するは我にあり」、旧約聖書「申命記」モーセの歌で神が説く一節で、「迫害を受けたとしても自ら復讐してはならない、復讐は我(=神)の為すことである」という意味で、新約聖書にも引用されています。
厳の少年時代は戦時中で、父はクリスチャンであるが故に船を軍人に奪われそうになり、棒や石で応戦しようとするが、何の抵抗もせずに船を差し出してしまう敬虔なクリスチャンの父に対して反感を抱くというシーンがあります。
恐らく戦後の混乱の中では、神の復讐が何たるか、神の存在すら見えぬ状況であったのでしょう、その後厳が重ねる犯罪にはクリスチャンである父への反抗心と神への猜疑心が絡んでいるものと思われます。
厳自身は死刑という形で社会から追放されましたが、神による復讐は何だったのか、それはラストの一見よくわからないシーンに隠されています。
死刑確定後にクリスチャンから破門になってクリスチャンの母と同じ墓に入ることができなくなった厳、自分の骨はゴミ溜めにでも捨ててくれと父に言うのですが、死刑執行後、最後に父と妻が骨を散骨するという場面で、何故か投げた骨が空中で止まってしまうのです。
現実に考えたら有り得ないことですが、これはつまり、地に還らせることをも拒否するという、厳に対する神の復讐であると言えるでしょう。
作品としては、やはり鬼気迫る迫真の演技が凄い。
殺害シーンは直視できず、目を覆いたくなります。
しかも実際の殺害現場で撮影されたというから、驚きです。
倍賞美津子さんの妖艶な入浴シーンが話題を呼んだそうですが、父親役の三國連太郎氏の信仰と色欲の葛藤に苦しむ演技も見事です。
posted by スパイダーウーマン at 19:36 | Comment(0) | えさをキャッチ!
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